まずは買う気マンマンな雰囲気を醸し出す
新車の車両本体価格には販売店のマージンが含まれているので、値引きすることを前提とした設定になっている。おおむね車両本体の3%から10%の値引きが普通に狙えるので、商談時に値引き交渉をしない手はない。時期や車種によっては20%程度の値引きが得られる場合もある。
台数限定や超人気のモデルではかなり渋くなるが、それでも値引きがゼロ円ということはほとんどなく、どんな車種でも交渉する余地はある。立ち上げ当初は値引きゼロを宣言していたレクサスも、かなり渋めではあるが、2ケタ万円の値引きが実施されるケースが多発するようになった。
一般的な国産車ディーラーでは、仮にこちらから一切値引き要求をしないで話を進めたとしても、自動的に数万円は値引きされるような世界なので、新車の値引き要求に遠慮は無用だ。
第1のポイント。値引き交渉の基本として、まず大事なのは「買う気を見せる」こと。
新車ディーラーには毎日多くの来場者が訪れるが、単なる冷やかしやカタログ収集マニアなど、直ちに買う意思のあるホットな来場者は意外に少ない。
セールスマンとしては、ホット度の低そうな来場者に対しては当たり障りのない対応で済ませる(将来的には本当の客になるよう地道なフォローは続ける)一方、ホット度の高い来場者に対しては商談の初期段階から積極的に好条件を示してくるので、最初から買う気マンマンな姿勢で臨んだほうが話が早くなる。
面倒くさがらずに足を運ぶことも大切
第2のポイントは、「自分の要望や、譲れない条件については包み隠さず率直に伝える」こと。交渉ごととはいえ、新車の商談の場合は最初から腹の内をさらけ出した方がセールスマン側の対応が良くなる場合が多い。
「自分としては〇〇で決めたいが、財布の紐を握る奥さんがより安い△△を気に入っている」
「〇〇と△△で悩んでいるが、正直安くなればどちらでも良い」
「買うクルマは〇〇に決定しているが、少しでも安くなる店で買いたい」
などという感じで、現状での問題点が何であるのかを早い段階で明らかにしたほうが、好条件を引き出しやすくなる。
第3のポイントは、「なるべく多くの販売店に足を運ぶ」こと。
「買う気マンマン!」を発散させつつ、1店舗でも多くのディーラーを回って、提示される条件を比較する。仮に最初から驚くような値引き額が提示され、対応してくれたセールスマンの人柄なども気に入り、即時に契約したくなった場合でも、まずは冷静になって一呼吸置きながら、他の店舗にも足を運んでみるべきだ。
新車値引き交渉の鉄則は「競合させること」であり、1店舗でも多く回れば回るほど、好条件と巡り合う可能性は高まるし、数多く回れば、セールスマンが提示する「これが限界の値引きです」の言葉が本当であるかどうかもハッキリする。
数多くの店舗をまわるのは、時間も労力はかかり大変だが、それに見合った結果が得られるはずと希望を持とう。メールを駆使するのも良いが、やはり最終的には店舗に足を運んでセールスマンと直接対話する方が手っ取り早く良い結果が得られやすい。
下取り査定やディーラオプションも値引き対象として考える
また、値引きは車両本体価格からだけではなく、ディーラーオプションや下取り査定額も実質的には値引きの対象となることを忘れないようにしたい。
ディーラーオプションは車両本体よりも利益マージンが大きいので、オプションを付ければ付けるほど値引ける余地も大きくなるが、車両本体の値引きとは別物であると認識したい。ディーラーオプションから多額の値引きをしてもらえたとしても、車両本体の値引きが拡大したと錯覚しないように注意したい。
下取りの査定額が渋い場合は、買い取り業者に査定してもらい、条件が良ければそこで引き取ってもらおう。新車の値引きと同様、下取り査定も競合させることで好条件が飛び出すことがある。
また、新車販売では「紹介」をされると値引きが拡大することが多いので、もしディーラーやセールスマンと懇意にしている知り合いが居れば、その知り合いに紹介してもらうのも効果的だ。源泉が紹介の商談では、最初から好条件が提示されることが期待できる。
ただし、紹介をしてもらうと心情的に競合がしづらくなるデメリットもあるので、しがらみが強くなりすぎないよう、あくまで検討候補のひとつとしてお願いするというスタンスで話を進めることが理想的だ。
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